はみだしブックレビュー:『童夢へ』
童夢のサイトで先着100名にプレゼントしていた林みのるの自伝『童夢へ』を読了。
本が届いた時のエントリィにも書いたけど、「若いときのエピソードは別にいいかな〜?」とか思ってたんだけど、いざ読んでみたら、いや面白い面白い。
「この親にしてこの子あり」を地でいくような父君の自由さや(お年玉付き年賀状を発案したのや、牛乳瓶のフタを開ける輪っか付きのピンを発明したそうな)、『ロケットボーイズ』に出てきた母親を彷彿とさせる、我が子の放埒ぶりに怒り、胸を痛めつつも最後は味方してくれる母君の人となりも読ませるながら、やはり、徒手空拳でレースカー造りに挑み続ける日々に遭遇した破天荒な人物やエピソードの一つ一つがとにかく面白く、散文的でまとまりに欠いているという難点を補って余りある読み応え。
煎じ詰めると、学業そっちのけで好きなことに打ち込むものの、周囲からの理解を得られず苦労した日々…といった戦後の起業家のサクセスストーリィの定番が書かれてるわけだけど、本人が「企業したつもりも経営しているつもりも皆無」と言って憚らないだけに、「成功者に学べ」的小説や自己啓発本/ビジネス書なんかで往々にして見られる作為というかイヤラシサが皆無なのが清々しい。
林みのるの、言うとめんどくさい性格(個人的にはあの超シンプルな性格は嫌いじゃないんスよ。為念)が、どのように形成されたかを知る上でも、日本のレース界の黎明期の空気を知る上でも貴重な資料なので、レース好きなら読んで損無し・・・少なくとも「みのるタソ」とか揶揄するヒト以外なら(苦笑)。
というわけで続編の『童夢から』はちゃんと買うので早く書き上げてくださいな。
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